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小児科診療における抗生物質の投与

昨今耐性菌の出現が叫ばれてやまないが、日常小児科診療における抗生物質の投与について考察してみよう。
まず添付文書を確認してみよう。
メイアクト細粒の添付文書によると、
“セフジトレンに感性の細菌感染症で、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二 次感染、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃 周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、 中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、顎炎、猩紅熱、百日咳” となっている。
風邪症候群に対して抗生物質が処方されているのをよくみかけるが、 小児に多い風邪症候群の病原体はウイルスである。
そのため各抗生物質の添付文書にあるように抗生物質に感性の細菌性感染症はほとんどない。
また二次感染予防のためということがしばしば論じられるが、実際に効果がないということも調査されており、逆に菌交代症による下痢などの危険性が高い。
そこで問題になるのが溶連菌感染症のケースであるが、これはイチゴ舌や皮膚症状があるのできちんと検査キットにて鑑別すべきである。
抗生物質を使用するデメリットとしては溶連菌感染症の検査前である場合は検査キットに対する陰性化がある。
また耐性菌に関していえば、死滅した細菌からも遺伝子交換が行われるがために、 実際に投与された患者以外にも耐性による影響が出てしまうという問題がある。
よって小児の診察の現場においては風邪症候群を見たからと言って鑑別なく抗生物質を処方するべきではないだろう。
むしろ気を付けるべきは発熱や食欲不振による脱水症状であって、 患者に脱水の気がある場合は補液を十分に行うよう指導することが必要である。
また、一部の薬剤は腸内細菌により分解されて薬剤活性を示したり、逆に代謝されて分解さたりするため、副作用の増強や薬効の減弱が起こる可能性がある。
以上のことより抗生物質の投与に際しては、細菌感染による感染症の存在が明らかであることを確認したうえで適正に投与すべきである。

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