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ポリファーマシー問題について

昨今話題になっている問題にポリファーマシー問題がある。 この問題は一人の患者が複数の医師を受診することによって発生していることが多い。 そもそも患者が病気をするとその病気に対して医師は薬を処方するという流れになるわけだが、複数の医師にかかってしまうと同じ効果の薬や、薬効を減弱させたり副作用を増強させてしまう結果につながりかねない。 例をあげてみてみよう。 患者が関節痛などで整形外科を受診したとする

A整形外科 医師A

RP

① 内)ロキソニン錠60mg 3錠
 1日3回毎食後 21日分

② 外)モーラステープ60mg 21枚
 1日1枚 膝

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以下余白

この状態で患者が胃の痛みを覚えたためB内科を受診した

医師B

① 内)ガスターD錠20mg 2錠
   1日2回 朝夕10日分

② 内)ツムラ㊸六君子湯 3包
   1日3回毎食前10日分

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以下余白

次に同じくこの患者が脳梗塞で抗凝固薬を服用し始めたとする。

○×病院 循環器内科 医師C

① 内)バイアスピリン錠100mg 1錠
    タケプロンOD錠15mg 1錠
     1日1回朝食後 28日分

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以下余白

さらに続いてのどの不調を覚えてD内科を受診した

医師D

① 内)PA配合錠   6錠
  トランサミン錠500mg 3錠
  メジコン錠15mg 3錠
ムコダイン錠500mg 3錠
    1日3回 毎食後 5日分

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以下余白

上記の処方内容で重複しているものをまとめると、
◎NSAIDs:ジクロフェナク、アセチルサリチル酸、サリチルアミドの中身
◎制酸剤:ファモチジン、ランソプラゾール
以上の薬剤が重複している。起こりうる危険性でいうと、
NSAIDsに関する抗凝固作用のコントロール不良の原因となりかねないといえるだろう。
また、作用機序から考えるとランソプラゾールとファモチジンに関してはヒスタミン受容体を介しているかどうかと作用時間及び代謝酵素の違い位で結果的に起こる薬効としては大差ないものだと言えるだろう。
そこでこの患者についてはどの薬剤の優先順位が高いかを考えてみよう。
わかりやすいほうから整理すると、制酸剤に関しては、 ランソプラゾールのほうが薬効的に上位にあるのでファモチジンは不要と考えられる。
もし、薬効不十分ならば医師Cに問い合わせてランソプラゾールを30mgにするのが妥当だろう。
では、バイアスピリンとほかのNSAIDsであるロキソプロフェンの併用のほうはどうか。
バイアスピリンを変更しない前提で述べると、
そもそも低用量アスピリンの作用機序としては、不可逆的COX1のセリン残基をアセチル化することによって、にアラキドン酸がトロンボキサンA2に合成されるのを阻害することによる。
しかしほかのCOX1阻害薬はCOX1のアルギニン残基と可逆的な架橋形成を行うことによって一度は不活性化したCOX1が再活性化してしまいトロンボキサン合成能を一度は阻害したものの、血小板合成能が時間とともに回復してしまう。
下にセリン残基をアセチル化するものとアルギニン残基に架橋形成するNSAIDsをまとめる。

Serをアセチル化(不可逆) Argと架橋形成(可逆)
イブプロフェン ジクロフェナク
フルビプロフェン メロキシカム
スプロフェン ロルノキシカム
インドメタシン セレコキシブ
ロキソプロフェン

また、PA配合錠に含まれているエテンザミドも望ましいとはいえないだろう。
そこで処方を変更するならばこのように変換できる。
しかしこれでは服用薬自体が増えてしまうため、工夫が必要だろう。無論患者の病態にもよるが、通常感冒であれば、総合感冒薬で十分というように考えられる。
このようにバイアスピリンと併用できる通常感冒に処方される感冒薬とできないものをリストアップすると、

バイアスピリンと併用できない バイアスピリンと併用できない
PL配合顆粒 カフコデN錠
ペレックス配合顆粒
PA配合錠
このようになる。次に胃の不調に関する薬の優先順位を考えると
PPI(A) H2ブロッカー(B) 防御因子(C)
エソメプラゾール ラフチジン レバミピド
ラベプラゾール ラニチジン テプレノン
ランソプラゾール ファモチジン スクラルファート
オメプラゾール ファモチジン

薬効的に考えると、A>B>Cになるだろう。 ここですべての処方を一元的に管理すると

RP)
①タケルダ配合錠   1錠
 1日1回朝食後
② セレコックス100mg 2錠
 1日2回朝夕食後
  28日分
③ モーラステープ60mg 28枚
1日1回貼付 膝
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以下余白

これに臨時で
RP)
① カフコデN配合錠 3錠
1日3回毎食後 5日分
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以下余白

これですむだろう。
以上のように複数の医師にかかってしまうと薬効の重複してしまう薬剤を処方してしまうことが多く、薬剤に関する知識でいえば、専門医は自分の分野に特化してしまう傾向にあるために配合剤などはより無駄の多い処方を出してしまいがちである。
そこで薬局で複数の医師にかかっている状態を把握して患者の薬を管理し、 病院、複数の医院とかかりつけ医との橋渡しとなって重複薬や無駄をなくしてコンプライアンスの低下を防いで有害事象や多剤投与から患者を守り医師をサポートするべきである。

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